電気の上手な使い方電気の上手な使い方からの一部抜粋

第1節 電流・電圧・電力とは

電気は電子の移動によって起きることをご存じの方も多いと思うが、電流とは、電線の中を流れる電気の量をいい、単位としてはアンペア(A)が用いられている。川の流量と同じことで、量を表わす単位である。
これに対して電圧とは読んで字のごとしで、電流を流すための圧力(押し出す力)をいい、単位としてはボルト(V)が用いられている。川がどうして流れるかといえば、川の上流から下流に落差があるからであるように、雷が地上に落ちるのも、雲が蓄えた電荷と地上に電位差があるからである。この電位差を電気の場合、電圧と呼んでいる。別の表現をすれば、量のアンペアに対して質のボルトということができる。
電力とは電気が単位時間に行う仕事量で、電流と電圧との積の合成量をいい、その単位をワット(W)で表わす。そのため、同じ流量の10Aであっても、電圧が100Vと200Vとでは1,000W(1kW)と2,000W(2kW)の違いがある。つまり、川にたとえれば緩流と急流の違いがある。
W(ワット)=V(ボルト)×A(アンペア)-----(1)
以上のことから、表1のような電気機器を一軒の家庭で持っている場合、全ての機器を同時に使用したとすれば、85.8アンペア(8580÷100)の電気が流れることになる。
一軒の家庭が使う電気の上限を決めるのに、ブレーカーというものがあるのをご存じかと思うが、実際には全ての機器を同時に使用することはないので、この場合、4分の1前後の20アンペアのブレーカーをつけて置けば十分である。それ以上に大きな40、50、60アンペアといった容量のブレーカーをつけている場合には、低めのブレーカーへの交換を電力会社に申し出るべきである。基本料金がだいぶ安くなる。

表1 主な電気器具の消費電力(W)

エアコン   1300W
テレビ      90W
冷蔵庫     120W
掃除機     500W
洗濯機     400W
電子レンジ  1000W
パソコン    170W
  炊飯器     800W
電磁調理器  1300W
電気カーペット 600W
アイロン    800W
ドライヤー  1000W
こたつ(強)  500W
合計        8580W

第2節  家庭の分電盤を見てみよう

家庭のコンセントの向こう側は壁や天井になるが、そこを通って、必ず配線は分電盤と呼ばれるところにつながっている。この分電盤の一番左端にあるのがブレーカーというもので、容量の大きさに比例して基本料金が増加する。ちなみに、このブレーカーに20Aの表示があると、漏電遮断器側の方は大体、倍の40A位になっているのが一般的である。


第3節  家庭の電気は単相2線式という

通常、家庭の電気は単相2線式といって、コンセントの穴のうち片側は電気が通って いない。コンセントの穴をよく見ると左側の割れ目は長めで、こちら側が接地線(アース線)になっているためだ。実際の機器使用の場合に、どちらの穴に合わせて使うかということは、電気が交流だから全く必要ないことだが、コンセントを付け替える場合に知識として知っておくと役に立つことがある。
また、エアコンなどは200V負荷で使用するので、単相3線式の配線でないと使えない。単相3線式というのはブレーカーのところを通っている線が3本(赤、白、黒)あり、白がアース線になっていて、赤と黒で200ボルトを取り出す方式だ。最近の家庭では、エアコンが多くなっているので、単相3線式の配線がしてあるところが多くなっている。オフィスコンピューターの入っている事業所などでは、これとは別の三相3線式の配線がしてある。